【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
気持ちは前向きに頑張っているつもりでも、身体は、正直でごまかしがきかないということだろうか。
自分で思っているよりも、私は、ダメージを受けているみたいだ。
追い打ちをかけてくれたあの二人のことを思い出し、思わず深いため息がもれる。
あれも、夢だと思いたいけど、間違いなく逃げようがない、現実だ。
「大丈夫? 歩けるかしら?」
ため息の理由を体調不良と誤解したのか、薫さんが心配げに肩に手を添えてくれる。
「大丈夫です」
薄く笑って頷けば、ホッとしたように、あでやかな笑みが返される。
――優しくて、素敵な人。
私も、いつか、こういう女性になりたいなぁ。
って、そもそも土台が、違いすぎるか。
「ゆっくりでいいから、慌てないでね」
「はい、ありがとうございます」