【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
不思議に思っていると、薫さんは、それに気がついたようだ。
「あ、一応、身元を確かめるのに持ち物を調べさせて貰ったの。免許証に名前があったから……。勝手にごめんなさいね」
――あ、なるほど。それなら納得。
一瞬、読心術もするのかと、驚いちゃった。
私がそう言うと、薫さんは、「できれば、色々と便利でしょうね」と、コロコロ楽しそうに笑った。
「あの、そう言えば、彼氏さんは……?」
――もしかして。
ううん、もしかしなくても、私がぶっ倒れたせいで、薫さんのデートの邪魔をしちゃったのは確実だ。
こんなに親切にして貰って、何だか急に申し訳ない気持ちになってきた私は、おずおずと尋ねた。
「ああ。祐一郎ね」
ユウイチロウ。
確か、私が倒れた時に、薫さんが呼んでいた名前だと思い当たる。