【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
あの別れの夜。
端的に事実だけを記した短い手紙を、食卓の上に置いておいたら、翌朝、手紙の最後に『分かった。』という、父からの更に短い返事が書かれていて、この一件は終わりを告げた。
深夜に家に帰ってあの手紙を読んだ父が、怒ったのか悲しんだのか、私には分からない。
でも翌朝、顔を合わせた父は、そのことについては一切触れなかった。
その気づかいが、ありがたかった。
そして、私の方はと言えば。
数日間は思い出して枕を濡らしたりしたけれど、今はもうすっかりさっぱり、未練はない。
未練なんか、持ってる暇なんかない。
返って新しい事にチャレンジする活力にもなった。
そう思える。
――よしっ。
後顧の憂いは無し。
前進あるのみ。
私は、これから仕事に生きるのよっ!