【番外編追加♪】オ・ト・ナの、お仕事♪~甘いキスは蜜の味~【完結】
――うわぁ、
笑うと、ずいぶん印象が柔らかくなるんだ、この人。
黙っていると、銀縁メガネがキラキラリンと光っているようなイメージで、ちょっと怖そうなのに、笑うとめちゃくちゃ優しそう。
こういうのを、『ギャップ萌え』とか言うんだろうか?
でも、あれ?
なんだか、見覚えがある気がする、この笑顔。
妙に、懐かしい気持ちにさせる、良い笑顔。
と、思わずその笑顔に見とれていると、不動さんは「それ、使っていいから」と、ティッシュボックスを指さした。
ティッシュが、どうしたんだろう?
『使う』って、何に?
訳が分からず小首を傾げていると、不動さんは、笑いをこらえるような表情で再び指をさした。
今度は、テーブルの上のティッシュボックスではなく、私の顔を。
そして、語尾を震わせ、ボソリと一言。
「鼻血、出てるよ」
――はい?
何を言われているのか、すぐには飲み込めない私は、その言葉の意味することを、ノロノロと咀嚼した。
『ハナジ』が出ている?
ハナ……ヂ?
鼻……ヂ?
って、鼻血ぃーーーーーっ!?