蘭蝶の女総長 (上)
ーコンコン
蘭「失礼します。今日からこの学校に通うことになった東城蘭莉だ。よろしく。」
理事「おぉ!蘭莉さんっ!久しぶりやなっ!!話は秋ちゃんから聞いとります!今担任呼びますから!待っとってください!」
ん?
この声は、成貴(セイキ)!?
蘭「せ、成貴!?なんでお前ここに。」
成「だって俺ここの理事長なんですもん!そんな驚くことないですって。あははっ!」
そう言って豪快に笑う成貴。
いや、驚くわ。普通。
成『ピンポンパンポーンえっとぉ、1-Sの担任、5秒以内に理事長室きてなぁ?やないとぉ、どうなるかわかってるなぁ?5、4、3、2、いーちz…』
ーバンッ
??「ぉい、成貴、その呼び方やめろって何回言ったら分かんだよ。で?何?」
成「おぉ!5秒以内によくこれたなぁ?俺なら無理やわ!で、この娘やで!秋ちゃんの、娘さんやてっ!美人さんやと思わへん?て、あ、そーやないよな。えっと、今日から1-S組に入る、東城蘭莉さんや!監視、よろしゅうな!靖爾(セイジ)!」
靖「あぁ。わかった。じゃぁ、蘭莉、こっち来い。教室はこっちだ。」
いきなり呼び捨てかよ。
成「あっ!ちょい待ちぃ!この娘には、敬語のほうがええで!てか、敬語にしろっ!」
靖「あ゛?んでだよ?こいつ俺らより年下だぞ?全然!」
成「そーなんやけど!キレたらマジやべえから!な!な!」
靖「あ゛?やだよんなの。俺とタイマン張って勝ったら考えてやってもいいけどよ?」
成「お前っ!それ!禁断の言葉やてっ!!」
ープチ
蘭「タイマンねぇ。いいよ?やってやるよ。でも、後々後悔すんなよ?おい、成貴。私が勝ったら、なんか奢れ。」
私は、振り向きながら成貴に言う。
そしてフッと笑う。
成「あ、は、はいっ!」
成貴は、私の殺気に気づいたのか、硬直した。
蘭「さぁ、やろうか?ちゃっちゃと終わらせてぇからさっさと来いや?」
靖「…わかった。行かせてもらう。」
そう言うと右手で拳を作り殴りかかってきた。
こいつもまだまだだな。
私は、その拳を掌で受け止め、掴み、捻じ曲げる。
脚を引っ掛けこけさせる。
ーバタン
靖「クッお、俺が…負けた。あの!俺、蘭莉さんのこと!尊敬するっす!よろしくお願いします!」
蘭「ここでそーなるかよ?まぁいい。勝手にしろ。あと、成貴。約束通りなんか奢れよ?で、靖爾、教室案内しろ。」
成「はいっ!!」
靖爾はそう言って走って扉の前に立ちドアノブを勢い良く回し開ける。
靖「どーぞっ!」
扉を開けると道までも開けてくれる。
蘭「サンキュ。行くぞ。」
靖「はいっ!!」
こいつ、かわいいな。なんか。笑