今を生きよう～あなたにタカラモノはありますか～

お母さんが病院に戻って、約二週間の夜のことだった。

お父さんの声がうるさくて、目が覚めた。
いつもはお父さんの怪物じゃないかと思うくらいうるさい、いびきで起こされるが、その日は違ったんだ。

私は、なぜか電話していたお父さんに気づかれないよう、盗み聞きした。

「……はい。………節子が？！今すぐいきます！それでは」

いつもはしゃべるのが遅いお父さんがとてつもないほど早口で電話を切った。
何かあったんだ…！お母さんに！！

あの電話の時、確かに言った、「節子」と言う名前。

……それは、お母さんの名前だ。
私は布団から飛び出した。

「病院行こう！！なんかあったんちゃうのん？！」
「はよいこ！急げ！」

あのお父さんですらとても慌てている。
やっぱり何かあったんだ！


もしかして……