今を生きよう～あなたにタカラモノはありますか～

ゴンッ！ ゴンッ！

蹴られるたび…殴られるたび、後ろの鉄の柱にぶつかる。

もう、私の精神身体…ともにボロボロ…。
もう、なにも出来ない…。
力が……入らない。
立てない…動けない…声が出ない。

「やめて」「助けて」

なにも、出ない。
痛みが圧倒的に勝って…もう無理だ…。
涙だけが、出る。
周りに飛んでいるのは、石と砂、とても恐い言葉だった。

そのあと数十分、翔たちが帰ったあとも…動けず倒れたままだった…。




「うっ…ううぅ…た………て…だ…か…」

助けて、誰か…。そう言いたかった。
足も、ほぼ全体が青紫だった。
それに、数ヶ所柱にぶつかったときと蹴られた時に出来た傷が…普通のケガじゃないと、見ただけでわかるような…痛々しい、とてもひどい傷だった。

もう歩けない…。まさにこれだった。
息をするだけで、全身が悲鳴を上げる。
だけどこのままじゃ…どうにもならない。
歩いて二分もしないうちに帰れるような家に…約二十分かけて帰った…。