今を生きよう～あなたにタカラモノはありますか～

普通にしゃべってるフリをして、ばれないようにタイミングを見計らった。

「あのさ、翔と何かあったん？みんな知らんわけでさ…教えてくれん？」
「とくに何もないし、あ、帰るわ、じゃあ」

少しはや歩きで部屋を出ていき、ドアを開けて、なにも言わず帰ってしまった。

「やっぱりおかしいなぁ？ちょっと兄ちゃんにも来てもらおか。」
「うん…」
それから想君の家に行って、迅君にその話をしてみた。

「え！そうなん？侑都帰ってきたけどすぐ友達と遊びに行ったぞ」

え…やっぱり。

「たしかに…今日は翔も侑都君もサッカーないし、他の習い事ないからなあ…」
「なあ深月ちゃん。帰るわって言って帰ったのは、やっぱりなにか隠してるんちゃう？兄ちゃんも、そう思うやろ？」
「たしかにな、想の言う通りやと思う」