先生…ダメ?

「じゃあさ…近くで見せて?」

だけど、そんなもの間近で見ないと分からない。

「え?」

俺はカッターシャツの襟と首の隙間に指を滑らせ、引き寄せた。

ーーーヤバい。急過ぎたか?

元々、木村の頭の出来はまぁまぁだし、補習というのは少し無理があった。

その上、コイツに指導することは何も無い。

「せ…先生?園山先生?」

彼女の息が俺の鼻に掛かる。

どんな甘い息してんだお前…。
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