葵葉は元姫で元姫のトラウマは葵葉①



葵葉が


「そうだよ、ねぇ、
朔空~?
いいかげんどこっか?」



と黒笑いでいう。
…この人といる時の
葵葉は、まるで別人みたいに
…表情がある。
―のは気のせいか?




「はぁ?
デコを葵葉が触らせないのが悪い。
ほら、なんとか誠が待ってるだろ!?
早くしろ!」



「だから、
熱じゃないって!
頭が痛いの!(仮病ですが)
熱があるから早退するわけじゃない!」




あ、彼氏に熱の心配されたのか。

葵葉がスルッと、
優雅に…って!
何言ってんだ!?
俺らしくないぞ?


と、とにかく
スルッと
朔空と呼ばれた人から
離れる。


「あ、『これ』は
私の…お兄……………………」



ん?
お兄―?
いい間違ったのか?
彼氏のお兄ちゃんと言おうとしたとか?



斜め下を少し唇を噛み締めながらいう
葵葉を俺と彼氏さんが凝視していると、
彼氏さんが、
どこかさみしそうに、
愛おしそうな顔で


「葵葉の兄の朔空だ。
えーっと、何誠君?」



は、兄貴?
なんであんなにラブラブ…
はっ

もしかして禁断の────!?



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