それでもやっぱり普通がいいっ!
「上がいるからこそ。
それを理解してるからこそ。
人は上を目指し努力する。
そして、お前はそれが出来る人間だ」
一人話す竜上。
「……なんでそう思うわけ?」
正直、初めて会ったヤツに言う言葉じゃない。
なにを根拠に、そんなことが言えるのか。
……言ってること恥ずかしいし。
本気でそんなことを言えることがすごい。
「俺が、お前の絵をみてそう思うんだ。
そうに違いない。
それに絵は……嘘をつかないからな」
……なんて、自信に満ちた瞳なんだろうか
そう、思った。
揺るがない瞳。
自信溢れる声。
「だが、本当の理由は……」
自信に満ちた瞳……それがこんなに綺麗なんて……そう考えてると、竜上が呟く。
竜上を見つめる。
竜上が俺の瞳をしっかりと見つめて、そして。
「俺にはお前が……
お前の絵が、必要だ。」
そう、言う。
そして頭を下げてくる。
「……頼む」
真剣な声で言われ、
真剣な瞳で見つめられ……
俺は……
「……分かった」
そう返事をするしか、出来なかった。