それでもやっぱり普通がいいっ!
人気者な彼女
次の日ーー。
朝……教室で眠そうに欠伸をしていると、
珍しく少し焦った顔のイケメンがやってきた。
「仲村、来い」
「ふぁ……? って、ん!?」
半ば強引に引っ張られるように教室から連れ出される。
あー……また確実になんか言われてるよー……。
教室を出る時に、朝からげんなりした。
竜上に引っ張られた状態で
俺たちのたまり場の屋上についた。
「いたたっ…… なんだよ急に」
徹夜でテンションがおかしくなる時以外、常に無表情なイケメンが
珍しく焦っている。
……と、言っても
他の人から見たら、いつも通りの表情だと思うんだろうけど。
でも一緒にいるとだんだん少しの変化に気づくようになる。
それでも、竜上は滅多に表情が変わることはない。
少しでも多くの表情をみてる(はず)の俺が、
珍しいと思うぐらい
“あの” 完璧人間が焦っているのだ。