それでもやっぱり普通がいいっ!
ーー竜上の家を出ると、外は暗くなり少し肌寒かった。
6月の夜。
過ごしやすい季節。
「寒くない?」
「うん! 大丈夫! 」
元気な笑顔を向けられる。
あぁ、疲れがぶっ飛ぶ……。
明日もこの笑顔が見れるとか……
とにかく頑張れる。
「……月がキレイだね!」
しばらく黙って歩いていると、若草さんが空を見上げる。
「ほんとだ」
それにつられて空を見上げると、
キレイな満月だった。
夜空に散りばめられた光。
「……」
月明かりで微かに映る二人の影。
隣で夜空を見上げる若草さん。
……あ~、やっぱ、かわいい。
隣を歩いてる彼女の横顔を盗み見して、思う。
やっぱり、若草さんはかわいい。
夜空を見上げる彼女の顔に、ドキッとしてしまう。
今、俺らを見た人は
俺らのことを、付き合ってる……なんて、思うのだろうか。