それでもやっぱり普通がいいっ!


「っあのね!」


頭の中でパニックを起こしていると、今まで黙っていた若草さんが
いきなり叫ぶ。


「は、はい!」


ビクッとなって、彼女を見つめる。
お互い向き合った状態で立ち止まる。


さっきよりも顔を赤くした若草さん。
言いづらそうな顔をしながらも、一生懸命言葉を出そうとしていた。


……この状況が、どうしても
あれに思える。


そう、告白……!


俺には一生無縁なんじゃないかと思われる、
告白。


顔を赤くして俯く彼女。
必死に言葉を探す表情。


これって、あれだろ、告白だろ!?(混乱)


普通すぎる高校生、仲村 拓真 17歳。

ついに人生の春が……!?


頭の中でフィーバーを迎えた俺。


そして、ついに若草さんが口を開く。



「じ、実は……私ね……」


「う、うん……」


緊張でピシッと直立しながら、次の言葉を待つ。


「実は……」


実は……!?




「BLが好きでねっ!」



「……」


その一言を言うと、「きゃっ、言っちゃった」と照れる若草さん。




…………?

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