それでもやっぱり普通がいいっ!


「俗に言う、腐女子ってやつです!」


目の前が暗くなる。
まるで月が頭に落ちてきたような、強い衝撃。


曇りのない笑顔の若草さん。

悟りを開いたような笑顔の俺。
最早、笑うことしかできない。


「……腐女子……」


腐女子……腐女子……


腐女子ッテ、ナンダッケ……?



「あ、そうそう!この漫画が大好きで……」


そう言ってバックからごそごそと漫画を取り出す。

出てきた漫画は、けっこう有名な作品だった。

どこにでもありそうなスポーツ漫画。


「こ、この漫画がっ、本当にっ……やばくて!
もう、もうっ……!」


さっきまでの笑顔はどこへいったのか。

口を押さえて震えだす。

若草さんごめんなさい。
軽く恐怖映像です。
放送事故です。


「もう漫画は私にとって萌えの塊で!
神なんです!」


「うん……そっか……うん……」


もうどこから突っ込めばいいのか分からなくなってしまった。


一体、なにがなんだか……。

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