それでもやっぱり普通がいいっ!
「この漫画のねっ! キャラクターがっ! すごくお二人に似ててっ!」
ズイッとさっきの漫画を突き出してくる。
「それで! 私的には、この二人が王道CPで!
神なんです! ほんとに大好きで!
ジュンが!素直じゃないけど、なんだかんだコウキのこと大好きで!
コウキは変わってるから周りから浮いたりしてるのにジュンがいるから思いっきりやりたいことできるし!」
ものすごい早口で話し出す。
まったく何を言ってるのか分からない……。
「コウキの暴走をジュンが止めたり心配したり……お母さんか!って感じで……
あ、私的には3巻の13話でジュンが……」
この間、たったの10秒。
今の話しを聞いていて分かったのは、
若草さんはこういう話をするときは敬語になる、ということだけ。
「わ、若草さん! ちょっとストップ!」
このままにしていたら、いつまでも話していそうな若草さんに制止をかける。
「……」
プシュー……
と、またあからさまにおかしな音が聞こえた。
「……っ! ご、ごめんね! スイッチ入ると止まらなくて……
普段は気を付けてるんだけど……コウジュンを思い出すと……つ、い……」
そしてまたニヤリと口元が歪む。
「落ち着てぇえええ!」
「はっ!」
俺の叫び声に我にかえる。
「す、すいませんっ!」
「いや……うん……大丈夫……だけど」
……大丈夫じゃないけど。