それでもやっぱり普通がいいっ!


「んで……それで?
それで漫画に興味あったの?
だから漫画描きたかったのかな?」


漫画の、しかも腐の話に脱線した話を戻す。


「そうなんです。
でも、お二人と漫画を描きたい理由は……
それじゃなくて……。」


漫画を好きになったきっかけはあの漫画だけど
俺らと漫画を描きたい一番の理由はそれじゃないらしい。


「その、さっきも言ったように……
仲村くんたちが、この二人に似てるんです」


そして、落ち着きながら漫画を見せてくる。


イケメンポジションの無愛想の男と
ツッコミ担当な普通そうな男。

俺がジュンで、竜上がコウキ……か?


「似てるか……?」


つい口にでる。

そうすると、心外だ、と言わんばかりの若草さんの顔。


「似てますよ! だって仲村くんとジュンは受け体質ですもん!」


「ねぇ待って。 俺が受け体質ってなに。」


俺の言葉を無視して話を続ける腐女子。


「いつもは強気なくせに、なんだかんだ竜上くんには勝てないんですよ……
イヤそうな顔しながら、でも顔を真っ赤にしながら押し倒さ……」


「ストップストップ! 規制かかるから!
てかなにそれキモい!」


さっきから歯止めのきかない腐女子。
誰か、助けてください。


「つまりですね! 仲村くん!」


キラキラな、腐った目でみられる。
さっきまでのキレイな瞳はどこへ行ってしまったのか……。

< 58 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop