それでもやっぱり普通がいいっ!
「んで……それで?
それで漫画に興味あったの?
だから漫画描きたかったのかな?」
漫画の、しかも腐の話に脱線した話を戻す。
「そうなんです。
でも、お二人と漫画を描きたい理由は……
それじゃなくて……。」
漫画を好きになったきっかけはあの漫画だけど
俺らと漫画を描きたい一番の理由はそれじゃないらしい。
「その、さっきも言ったように……
仲村くんたちが、この二人に似てるんです」
そして、落ち着きながら漫画を見せてくる。
イケメンポジションの無愛想の男と
ツッコミ担当な普通そうな男。
俺がジュンで、竜上がコウキ……か?
「似てるか……?」
つい口にでる。
そうすると、心外だ、と言わんばかりの若草さんの顔。
「似てますよ! だって仲村くんとジュンは受け体質ですもん!」
「ねぇ待って。 俺が受け体質ってなに。」
俺の言葉を無視して話を続ける腐女子。
「いつもは強気なくせに、なんだかんだ竜上くんには勝てないんですよ……
イヤそうな顔しながら、でも顔を真っ赤にしながら押し倒さ……」
「ストップストップ! 規制かかるから!
てかなにそれキモい!」
さっきから歯止めのきかない腐女子。
誰か、助けてください。
「つまりですね! 仲村くん!」
キラキラな、腐った目でみられる。
さっきまでのキレイな瞳はどこへ行ってしまったのか……。