それでもやっぱり普通がいいっ!
「その……お二人が似てるから……。
リアルで……」
「……リアルで?」
最早、嫌な予感しかしない。
「リアルで、見たかったんですっ! 」
「……」
な、なんてこったぁあああああ!
つ、つまり、若草さんは……。
「お二人の、う腐腐なところっ」
曇りのない、清々しい笑顔で言われる。
とんでもないことを、語尾にハートの付きそうな勢いで。
つまり、若草さんは……
俺らの、その……びーえる、的なもの?が見たかったってことか……!?
てか、う腐腐って……!?
なにその笑い方こわい!
「私、お二人のう腐腐な関係を見れたらご飯何杯でもいけますし、
100年生きれそうな気がします」
ご飯何杯もいけるのと、100年生きるのとではレベルが違う気が……
って! そんなところをつっこんでる場合じゃない!
「てか俺らそんなんじゃないし!」
「分かってますよ! でも、さっきの見たら、実はデキてるんじゃないか……って!
私は諦められません!」
「さ、さっきの……?」
「あれです! 家出るときの、
……いや、うそだ (←竜上の真似) とかっ!
完っ全に熟練夫婦の会話でしたよ!?
もう、鼻血抑えるの大変だったんですよ!?」
そう言われて、
さっきの若草さんの顔が赤くなっていた謎が解けた。