それでもやっぱり普通がいいっ!
ーー金曜日の、“あの”衝撃発言後。
次の日も、もちろん妖怪 腐女子はやってきた。
「竜上くん! 実は私、腐女子でして!」
「そうか、若草はこれの消しゴムな」
「あ、はーい!」
若草さんの爆弾発言に動じない竜上。
むしろ仕事も頼んでる。
「えええ!? なんでそれだけ!?
もっと驚くだろ!?」
叫ぶ俺に竜上の一言。
「時間がない。
仲村、これ」
そして渡された原稿。
「……はい」
返事をするしかなかった。
そうだった……竜上は、普通じゃないんだ。
それに……確かに腐女子について話していられるほど時間に余裕なんてない。
あの夜、竜上の部屋に帰ってくると竜上はかなり作業を進めていた。
「遅い」、と怒られてすぐに作業をし始めたので、頭で整理する時間はなかった。