それでもやっぱり普通がいいっ!


心の中でブツブツ呟きながら、教室からでる。

すると、腕を組ながら廊下に背を預けている竜上がいた。



なんかもう、その格好だけで女子は落ちる。
男の俺でも、一瞬カッコいいなんて思ってしまった。



「……いくぞ」


俺が来たのを見ると、そのまま歩きだす。

あえてゆっくり歩いていたら、竜上もスピードを落として並んできた。
……イケメンかよ。あ、イケメンか。

それは本来女の子にすべきなハズなのに
男にまでやって、しかもカッコいいんだから
ムカつく。

こっちは目立ちたくないからゆっくり歩いてたってのに。

気が使えるんだか使えないんだか。


竜上と並んで歩いていると廊下にいる全ての人の視線を感じる。




……ああっ。

俺は今、どれだけ目立っているのでしょう……
平凡な毎日がよかったのに……っ!



軽く涙目だ。

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