店員さんに惚れるまで

『...少しだけ』

そういって笑ってみせる

きっとうまく笑えていないだろう

「誰かに話すだけでも気分はかわるかもしれませんよ」

ゆっくりしていってくださいね

そう言うとカウンターに戻っていった

いつもなら私もそうするのだ

嬉しいこと、悲しいこと、くだらないこと、世間話

なんでも話せる親友がいたから

そう、"いた "のだ

あぁ

なんだか無性に話をしたくなった

『...私には親友がいました』

数時間前までは親友だった

『今日は彼女と会う予定だったんです』

店員さんは返事をしない

けど聞いてくれている気がする
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