【短編】脇役少女は時を舞う
「皆さん!音が起きましたー!」

あぁ、どうしよう。
夢にまで見た幹部陣が勢揃いた。

「おぉっ!良かったじゃないか神崎君!」

「はいっ、ありがとうございます近藤さん!」

「北沢くん、だったな?」

近藤さんらしき人が私に微笑みかけた。

「神崎くんから話は聞いている。大変だったな」

何が大変なのかは分からないが、とりあえず頷いておいた。

「君が音ちゃんかー、よろしくね?僕は沖田総司」 

「よろしくお願いします」

「で、こっちが土方さんでー、眼鏡が山南さんでー、切り傷が原田さんでー、全身防備が斎藤さんでー、鉢巻きが新八さん、若そうなのが平助くん」

紗菜のテキトーな紹介に皆が苦笑した。

「おいおい紗菜。ちっとテキトーすぎねぇか?俺は切り傷でまとめられるような男じゃねぇぜ?」

原田さんが色気を纏いながら反論する。

「えーだってー!」

一気に和やかな雰囲気になる。

やっぱり紗菜はすごい。

入っただけで皆が笑顔になってしまった。



───私を忘れてしまうくらいに。







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