初恋ノイズ
「つまりそれがどういう事か分かる!?」
「ぶへっ!?」
千里は、あたしの両頬を押さえる。
タコみたいな顔になるあたし。
「女子共は、みーんな黒崎との中学最後の夏祭りを狙ってるわけ!!」
そーなの!?
そーなの!?
そーいうもん!?!?
「黒崎が、どっかの女と二人でイチャイチャ夏祭り行っちゃっていーわけ!?」
えーと、うーんと、えーと……
「………………ふぉーふぉーふへなひ。」
「は?……あぁ、ごめん。何?」
千里はあたしから手を離す。
「想像つかない。
洸ちゃん、あんまり女の子と居ないし。」
「…………ですよね。」
千里は、白目を向いて苦笑いをする。
チーンて顔。
洸ちゃんが、女の子とかぁ……うーん。
無理矢理想像してみる。
例えば、男子から人気のある1組の白田さん。
洸ちゃんと夏祭りで楽しそうに笑ってる。
手なんか繋いじゃったりして?
キキキキスとかしちゃったりなんかしちゃったりして!?!?
何となくそんな光景が浮かぶ。
ズキン。
あれ?
今の音、何だろう?
あたしは、初めて聞く音に違和感でいっぱいになったんだ。