初恋ノイズ
洸ちゃんもだけど、あたしも一人っ子だから、ママは洸ちゃんを息子みたいに可愛がってるんだって。
愛情表現て様々だよね。
「で、用はそれだけ?だったら、帰って勉強でもしたら?
俺今忙しいんだよね。」
「……全然忙しくなさそうだよ?洸ちゃん。」
さっきから寝そべって雑誌読んでるだけじゃん。
「この雑誌、明日には田中に返さなきゃいけないんだわ。」
「だから、読むのに忙しいって?」
「そゆこと。」
あたしが口を尖らせているのに気が付いて、洸ちゃんはゴロッとあたしに背を向ける。
夏野菜を持って来ただけじゃないもん。
洸ちゃんに聞きたい事、山ほどあるんだから!
「何読んでるのっ!!!」
あたしは、洸ちゃんの上にダイブして無理矢理雑誌を覗き込む。
「こらっ!何してんだっ!離れろっ!」
何でか分からないけど、慌ててあたしを押しやる洸ちゃん。
ちょっと頬が赤い。
ん?
んんん???
「………………洸ちゃん…………コレ……。」