初恋ノイズ


「そっか……。」


松田はほっとした顔で、アイスをかじる。


「あのさ、吉川今年のお祭り誰かと行く?」


「え?あー、うん!千里と行くつもり!」


「太田?そっか。仲良いもんね二人。」


「えへへ。仲良いよぉ♪」


そりゃ、親友ですもの!


「あ、あのさ。」


「?」


「俺も一緒に祭り、回ってもいい??」


「え?」


「い、いや、あの……周りの友達がさ!みんな彼女やら好きな子やらと行くらしくて、俺今年行く人いなくてさ!
せっかく中学最後の祭りなのに、一人で過ごすのもなんだかなって……。」


千里から聞いてはいたけど、そんなカップルばっかりになってるの!?


みんなガツガツし過ぎだよ!


「あたしはいいけど……。松田なら、一緒に行ってくれる女の子、沢山いると思うよ?あたし達なんかと回るんでいいの?」



「吉川達とがいいんだよ!!!」



松田は、そう言って身を乗り出す。


その拍子に、松田の溶けかけたアイスが棒からずり落ちる。


あまりの勢いに、思わずあたしは少し後退り。


それを見た松田は、はっとして耳まで真っ赤になっている。




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