初恋ノイズ

「何でそう思うの?」


ママは冷静に、驚きもせず、あたしの顔を覗き込む。


「洸ちゃん……彼女なんて作らないって言ってくれたのにっ。あたしとっ……居られなくなっちゃうから、作らないって言ったのにっ……。」


抑え込んでいた気持ちと共に溢れ出した涙は止まらない。


嗚咽まで出てきて、上手く喋ることも出来ない。


「美晴は、どうしたかったの?何で洸太が彼女を作ったら嫌なの?」


ママが、何でこんな質問をするのかは分からない。


だけど、あたしはそれに答える。


「洸ちゃんが彼女作ったら、一緒になんて居られなくなっちゃう……洸ちゃんとずっとずっと一緒に居たかったのに……。
あたしが、洸ちゃんとお祭り回りたかったのに……。あたしが、洸ちゃんの……」


そこまで言ってはっとする。



あたしが、洸ちゃんの?


…………彼女に……なりたかったのに?



「美晴は、洸太と幼馴染みとしてじゃなきゃ一緒に居られない?」


ママは、そんなあたしを見て微笑む。


あたしは、頭をブンブン横に振る。


「幼馴染みの洸太じゃなきゃ好きじゃない?」


「そんなこと……ない。
洸ちゃんとずっと一緒に居られるなら……何でもいい。どんな洸ちゃんも……好き。」
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