初恋ノイズ
初恋の音
「はぁっ!はぁっ!」
早く洸ちゃんに会いたい。
会って伝えなくちゃ!
洸ちゃんが好きだって!
ずっと一緒に居たいって!
あたしは、出来る限りの全速力で神社まで滑走する。
下駄が走り辛く、いつもより体力が奪われる。
途中、足が痛むと思ったら、下駄の鼻緒で靴擦れしていて、指の間に血が滲んでいた。
でも、そんな事に構ってはいられない。
早く洸ちゃんに会いたい。
提灯の灯りと、石造りの鳥居が見えてくる。
後少し。
鳥居の前の階段に差し掛かると、お囃子のBGMが聞こえ出す。
「吉川?」
「ま、松田……。」
「どうした!?まだ、待ち合わせまで時間あるよ?そんなに息切らして……」
松田が心配そうに駆け寄ってくる。