初恋ノイズ


「…………さっき、何で俺を呼んだの?」


洸ちゃんは、あたしの隣に腰を下ろす。



よく見たら洸ちゃん浴衣着てる。


良く似合ってる。


普段と雰囲気が違っていて、何だか格好いい……。



「洸ちゃんに伝えたいことが、あったから……。」


「?」


あたしは、傷だらけの膝を抱えながら、ゆっくりと話し出す。


「洸ちゃん。あたしね。洸ちゃんとはこれからもずっと、何も変わらず一緒に居るんだと思ってたんだ。
洸ちゃんがいない未来なんて、考えた事なかったの。」


神社の裏手まで来ると、さっきまで流れていたBGMは殆ど聞こえない。


聞こえるのは、夏の虫の音色だけ。


リーンリーンと神社の境内に響き渡る。


「でもね。最近ずっと不安だった。
いつもあたしと同じ歩調で歩いてたはずの洸ちゃんが、隣に居ない事に気が付いたの。」


あたしは、洸ちゃんの腕を掴んで立たせる。


そして、背を比べるように向き合って立つ。

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