初恋ノイズ
「大体、おいてけぼりって何だ。おいてけぼりって。俺がいつお前を置いてった?
例え俺が先を歩いてたとしても、お前が待って欲しけりゃいつでも立ち止まってやるよ。」
「……洸ちゃん。」
「俺だって、お前が隣に居なきゃしっくり来ないんだからな。」
そうか……。
あたし達は、いくら歩調が違っていても、同じ道を歩いてる。
例え、私達の間に距離が出来てしまったとしても、お互いの努力でいくらでもまた隣を歩く事が出来るんだ。
ほら。
手を伸ばせば……
「あたし……洸ちゃんの隣に居たい。」
洸ちゃんの浴衣を引っ張る。
洸ちゃんにちゃんと想いが届くように、伝わるように。
「…………何お前、可愛すぎだから。」
洸ちゃんは、「はぁぁ~。」と大きな溜め息を付いて、その場に屈み込んで顔を伏せる。
「洸ちゃん?」