初恋ノイズ
立ったままのあたしの手をそっと取って、
洸ちゃんのゴツゴツした大きな手があたしの手を包み込む。
いつの間にか、手もこんなに大きくなったんだ。
「……だよ。」
「……え?」
よく聞こえなくて、あたしも屈み込み聞き返す。
「好きだよ。」
「……え」
「言っておくけど、お前よりずっと前から俺はお前が好きだよ。」
ほら。
今歩調が重なり合う。
「うっ……あ……。」
あたしが、真っ赤になって口をパクパクしていると、洸ちゃんは照れ臭そうにあたしを見ながら、更に小さい声で……
「…………付き合う?」
と言う。
ひとつになる視線と視線。
----トクン。
あ。
そうか。
この音は、あたしが洸ちゃんに恋をしている音だったんだ。
気付かなかっただけで、あたしもずっとずっと洸ちゃんの事が、好きだったんだ。
「付き合うっっ!!」
あたしがそう答えると、洸ちゃんは嬉しそうに無邪気な笑顔で笑った。
そして、チラッと辺りを確認したかと思うと、あたしの口にちゅっと軽いキスをする。
何が起きたか分からない内に、離れる唇と唇。
「☆*@◎▽◇▲△!?!?!?」
口を両手で押さえて、思わず後退りするあたし。
顔が熱くて火を吹く寸前。