初恋ノイズ



「ババババカなことばっかり言ってないでっ!!!かかかか夏期講習遅刻するっ!!!」



ひゃあああ!!!


何これっ!!


顔熱いっ!!


目が回るっ!!



洸ちゃんは、ベッドの前で踞りながら震えてる。


「おまっ!膝蹴りっ……腹にっ……」


「知らないっ!!外で待ってるからね!!!」


洸ちゃんの言うことなんか無視して、階段を駆け下りる。


途中洸ちゃんのママさんに


「洸太起きたー?」


って、呼び止められたけど、それどころじゃなくてコクコクと頷いただけでダッシュで洸ちゃんちの玄関を出た。



洸ちゃんのバカ!!


何であんな事するの!!



あたしは洸ちゃんちの"黒崎"って表札の前で呼吸を整える。


―――バクバクバクバク


この音何!?


蝉の声より煩く鳴り響くあたしの心臓。


顔は火照るし、目眩はするし、おまけに動悸まで……何かの薬の謳い文句みたいな症状が…………。

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