初恋ノイズ


「みーちゃんも長旅で疲れてるだろうに。悪いね。」


洸ちゃんママさんは、段ボールを持って歩くあたしに、申し訳なさそうな顔で手を合わせる。


「ううん!全然!帰って来たはいいけど、する事なくてどうしようかと思ってた所だもん!」


「ありがとう♪」


「どういたしまして♪」


そうこうしている内に、洸ちゃんちに着く。



相変わらず近い。


そして、変わっていない洸ちゃんち。



玄関を入ると、


「あ。野菜そこに置いておいていいよ。ほら!何遠慮してるの!入って入って!」


と言って、洸ちゃんママさんがあたしを急かす。



そうは言われても、やっぱり入るのに躊躇する。


だって、ここには洸ちゃんとの思い出が沢山沢山あるから……。



込み上げてくる感情をグッと堪えて、あたしは懐かしい洸ちゃんちに一歩足を踏み入れた。

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