初恋ノイズ
リビングに入ると、懐かしい洸ちゃんちの香り。
棚の上の写真立てに飾られている洸ちゃんは、まだちびっこい小学生の頃の洸ちゃんだ。
可愛い……。
つい顔が綻んでしまう。
「お盆休みなら少しの間、洸太帰って来てたんだけどねー。今はまた出張行ってるってさ。
みーちゃんは元気だったの?仕事、忙しいんだって?」
洸ちゃんママさんは、テーブルに自分の分とあたしの分のアイスコーヒーを用意する。
それを見て、あたしはダイニングテーブルの椅子に腰掛ける。
「元気……だったよ。仕事は相変わらず忙しいなぁ。今年は夏休み取れただけましだけど。」
「そっか。でも、元気なら良かったよ。
洸太の奴。心配してたからさ。連絡とれなくて、みーちゃんがどうしてるかも分からないって。」
「……そっ……か。」
「……みーちゃん。洸太の事嫌いになった?」
あたしの向かいの椅子に座ったママさんは、眉を下げて心配そうにあたしを見る。