初恋ノイズ


洸ちゃん……。


洸ちゃんの声から、あたしへの思いが伝わってくる。


こうやって近くに居るから分かる思い。


もう少し早くこうやって洸ちゃんに会っていれば、もしかしたら何か変わっていたのかもしれない。


でも、あたし達にはそれが出来なかったんだ。



「ごめんなさい……。でも……」


「でも?」


洸ちゃんが、顔を上げてあたしを真っ直ぐ見詰めてくる。


あたしは、その目を見るのが怖くて、斜め下に目線を逸らせる。


「でもあたしは、やっぱりこれ以上、洸ちゃんとこんな風な関係は続けていけない……。」


「……何で?」


顔色一つ変えずに、あたしを直視する洸ちゃん。


お願いだから、そんな風にあたしを見ないで欲しい。


「美晴。こっちを見ろ。」


「ちょっ!やだっ!」


俯くあたしの顔を持ち上げようとした洸ちゃんの手を、思い切り振り払うあたし。


そんなに強く払うつもりはなかったのに
、洸ちゃんの手を強く叩いてしまう。


洸ちゃんの少し驚いた顔で我に返ると、酷い自己嫌悪に襲われて、急に涙が込み上げてくる。


「だって……だって……あたしもう洸ちゃんに追い付けない。」


「え?」


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