初恋ノイズ
「昔みたいに、洸ちゃんの隣に居たいのに……。なのに……なのに……どんなに追いかけたってちっとも洸ちゃんとの距離は埋まらない!埋めようと思えば思うほど、空回りして、いつからこんなに遠くなっちゃったの?って自問自答ばかりしてるっ。」
洸ちゃんは、何も言わずあたしを見詰めている。
「こんなに上手くいかない事が怖いよ。
昔は、洸ちゃんが居る事が当たり前だったのに、今では洸ちゃんが居ない事が当たり前になってる。
仕事だったり、色んな柵があって、それが大人になるって事なのかもしれないけど……あたしは……そんな簡単に受け入れられない。」
あたしは、服の胸の辺りを強く握りしめる。
ズキズキとした胸の痛みを逃がすように。
「あたしの願いは、昔と何にも変わってないんだよ?
"ずっとずっと洸ちゃんの側に居たい"
ただ、それだけなのに。
その願いは、もう叶わないって分かったの……。」
「…………」
「これ以上彼女で居たって、それを思い知るだけ。そんなの……辛い。」