初恋ノイズ



洸ちゃんの言う通り。



あたし達は、いつも必ず同じ道を歩いてる。




ほら。


また歩調が重なり合う。



「するっっ!!」



あたしがそう答えると、洸ちゃんは一度驚いた顔をしてから、無邪気な顔で嬉しそうに笑った。


変わっていないその笑顔が愛しくて、涙が溢れてくる。


「泣くなよ。」


そう言って洸ちゃんは、あたしの涙を一粒ずつすくっていく。


そんなに優しい顔をされたら、余計に涙が止まらないよ。


「洸ちゃん……大好きっ。大好きっ。」


「ん。知ってる。」


「あたし、ずっと洸ちゃんの側にいるっ。」


「そうしてくれ。」


「例えまた離れちゃいそうになっても、ずっとずっと手を伸ばして追いかけるから!もう、諦めたりしないから!」


「望むところだ。いつだってこうやって迎えに来てやるよ。

美晴……。」


洸ちゃんと視線が絡み合う。


洸ちゃんは、チラッと辺りを確認する。
< 97 / 100 >

この作品をシェア

pagetop