それでも僕等は恋を繰り返す
いつもの昼下がり。
暑く照り付ける太陽に目を細めながら、教室の窓から外を覗くと彼がいつもと変わらず女の子に笑いかけている姿が目に飛び込んできた。
―――今日もあたし達とは別で食べるのか…
「あーつーいー!!もうこんなの堪えらんない!帰りたい!!」
「椿、胸元開きすぎ。はしたないよ?」
「だって暑いんだもん~こんだけ暑いと息苦しくて」
「わかるけど、ほら。学校終わるまでの辛抱」
椿の鎖骨あたりにあるボタンにそっと手をかけると、彼女からほわっと香水の香りが鼻まで届いた。
昔からお洒落が大好きな彼女はいつも違う香りを身にまとっている。
どれくらい香水を持ってるんだろうといつも思うのに、聞くまでには至らないのは結局さほど興味がないんだとい思う。
「こんな暑いなら水着で授業受けたい~!!制服なんて着てらんない!!うちの学校のダサいし」
パタパタと団扇を扇ぎながら、スカートをギリギリまでまくりあげる椿に、下着が見えやしないかヒヤヒヤしながらも、作ってきた弁当の蓋をパカっと開けた。