それでも僕等は恋を繰り返す
動きだすあかいいと


今日は椿が委員の仕事で朝は先に行くと言っていたので、カンナを呼びにチャイムを鳴らした。

…出ない。もう一度鳴らすが…出ない。

寝てる??そう思ったあたしが中に入ろうとすると、その手をさっと止められた。


「あれ??柊!?なんで!?彼女は!?」

朝の登校は中学に入ってから椿と二人が多くなった。

というのもカンナは寝坊が多くなったし、柊は彼女ができ、その子と一緒に行くようになったため、ほとんど一緒に登校していない。

まあ…彼女も何度変わったか分からないが…

別れてから数時間後にはもう新しい彼女がいるんだから驚きである。

「あー別れた。だから一緒に行こうよ夕顔」

今日も爽やかな笑顔を見せる彼は、あたしの通学鞄をさも当たり前のようにサッと持つ。

サラサラの黒髪に大きい目、鼻筋の通った整った顔。

それだけで既にモテる要素だが、更に頭は学年で一番良く、長身で誰にでも優しい。

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