それでも僕等は恋を繰り返す
カンナの胸元のボタンに手を掛けながら、今日の晩御飯のことを考える。
お肉半額だったよな~。何時までだったかな…
「よし!これでOK」
上まできっちりネクタイをあげると、彼が最後のパンを一気に頬張った。
「ねえねえ!!夕顔!じゃ~ん!これ見て!」
椿がおもむろに胸ポケットから一つの封筒を取り出し、ニヤニヤ笑う様を見ながら今晩は野菜炒めにしようと心に決めた。
「んだそれ」
興味が全くないあたしとは対照的にカンナが珍しく反応する。
―――またこいつは…足を机の上にあげて…
「カンナには関係ないの~夕顔!夕顔にだよ!!」
「え?あたしに??」
あたし宛とは微塵も思ってなかったために、自分自身を指差し驚く。
「ほら、サッカー部の前田いたじゃん??あいつからのラブレター!」
きゃー!と一人盛り上がる椿に未だ状況が飲み込めないあたしは、ポカンと彼女を見つめる。
のあとに手元の封筒を見つめ、少しして椿を見つめ、また封筒を見つめ…