それでも僕等は恋を繰り返す
「ん!?んん!?…よし!」
「…なに?」
「いや、一度脱いでいたら夕顔は一人で着れないだろうから、帯がちゃんと結べないだろう?あいつに脱がされてないかと確認グオッ!!」
「結くん、さいってい!!!」
お腹を思い切り殴ったあたしに笑顔を浮かべる兄がすごく恐ろしく感じる…この人の愛情は絶対に普通じゃない。
「言っただろ??中学生の男なんて考えてることは欲望が殆どだと!俺は俺の大事なものを―――」
「わかったわかった!もう今日は疲れてるから話はまた明日ね!」
結くんから逃れるように駆け足で階段をかけ登ったあたしが部屋のドアを開けると、
「……なにしてるの?」
カンナがあたしのベットに何故か横たわっている。
さっさと浴衣脱ぎたかったのに、どうしてこの人は勝手に人の部屋にいるんだろう。
我が家のように平然と寝転がる彼に、ため息しか出ない。
「…遅かったな、どうだった―――」
やっとこっちを向いたカンナは、あたしと目が合った瞬間固まり、何か驚いたような顔をしていたが、数秒すると急に舌打ちをした。
え、何で舌打ちなの?と思った矢先、ベットから立ち上がったカンナがそのままこっちへ向かって歩いてくる。