Level Blacks
Level.1
いつも通り目を覚ましたわたしは、学校へ行く支度をして、時間通りに家を出る。
「七花」
名前を呼ばれて振り返ると、そこには最近仲良くなった、奏多が居た。
「あ!奏多おはよ!珍しく早いんだね?」
「遅刻回避がてらお前と一緒に学校行こうと思って」
ついで感が気に食わなかったが、退屈な長い坂道の間に話相手が入る事には感謝しよう。
でも珍しく、奏多は黙り腐っていた。
いつもはあんなにうるさいのに。
「あ、直哉だ!」
頭が働く前に先に言葉が出てきた。
直哉というのはわたしと同じ軽音部に所属している、わたしの片思いの相手だ。
「あ、ほんとだ」
奏多が間抜けな声を漏らす
「ねえ奏多、なんか今日変だよ、どうしたの?」
そう問いかけると、奏多は急に歩みを止めた。