Level Blacks
「…七花、七花…あ」
私が瞼を開けると、そこには安堵の表情を浮かべた奏多が居た。
「私…」
「ごめんな、俺があんなこと言ったから驚いたよな…ほんとごめん」
あれは、夢だったのか?
そりゃそうだよな、趣味が合うわけでもなく、クラスが同じなわけでもなく、特別仲がいいわけでもない直哉とあんな風にたくさん話してあんな風になるなんて…
「…七花?」
「あ…いや、ううん…」
「でも不思議だよな、もうすぐ学校っていう高さから転げ落ちたのに無傷だなんて」
…無傷?
あの高さから落ちれば何度も頭をぶつけて身体も擦り傷だらけのはずだ。
でも一体どうして…