一番がいい!!
「大矢? ほら、やるぞ!」
龍人に急かさせて
「おっ、おう…」
気にせずに続けようとしても、静香のことが気になって…
「大矢!パス!」
声のかかったほうにパスを出したとき、そこにはもう誰もいなくて…
しまった!!
その先には、
静香が見えた…
当たる!!
…
そう思ったら、静香の後ろから手が伸び、背中を押す。
倒れる静香…
まるでスローモーションをみているようだった。
「静香!!」
駆け寄ると、静香の前に立ちふさがる柳澤。
今にも殴りかかる勢いで、オレを睨んでる。
「ワザとだろ?!」
はぁ?!
なんでそんなことしないといけないんだよ!
眉間にシワをよせる。
「静香センパイ! 大丈夫ですか?!」
静香に駆け寄る声がする。
けど、睨まれたままだったから…
視線を外したら、負けだ…
「柳澤くん、どーしたの?」
イライラした女の声が聞こえた。
「コイツがワザとボールのぶつけたんだ!」
「ワザとじゃねーよ!パスしたら、誰もいなかったんだよ!」
なんなんだよ、コイツ?!
ワザと?!
何回同じこと言えばいいんだよ!!