一番がいい!!
体育館で、何も話さないセンパイの隣で、バレーの試合を見ていた。
「知里!大変!
柳澤くんがバスケの試合に出るって!」
体育館を走って近付いてきた遊実が、私の隣に座り小声で言った。
「なんで?
委員だから出なくていいんじゃないの?」
「どーやら、さっきのが気に入らなかったらしくて…」
眉を寄せながら、困った顔をしてる…
「気に入らないものないも、静香センパイ大丈夫…いや、大丈夫でもなさそうだけど…」
固まったままの静香センパイをみると、話を聞いていたのか驚いた顔でこっちを見ていた。
「…どーしたの?」
ゆっくりと、でもしっかりとした口調で遊実の顔を見る。
「静香センパイですね?
いつも知里から話は聞いてます。
あたしは、相川 遊実です。
センパイのクラスとうちのクラスが、バスケの試合で当たることになって。
そこに、柳澤くんと中田くんが出るって」
何回聞いても理解できないんだけど?!
首を傾げながら
「いやいや、メンバーじゃなかったよね?!」