一番がいい!!




あれは、秋になり始めの紅葉もまだ青い頃。




先生に頼まれた資料作りが終わらず帰るのが遅くなった日。




「なんで、私なのよ!」




下駄箱でローファーを投げつけ、スリッパを乱暴に片付ける。




「はぁ…」




残暑厳しい昼間とは違い、この時間になるとかなり涼しくなっていてた。





「あー、なんで断れないんだろう…」




爽やかな風と共に、ため息が出る…








その風に乗って…



ダンッ!ダダンッ!




体育館から聞こえるボールの音。




引き寄せられるように、そーっと覗いて見る。





そこには、バスケの練習をしている




三浦くん…?




わたしに気付くことなく、真剣に練習してる。





汗が光るその姿がとても熱くて、カッコよくて…




教室で友達と笑いあう姿とは違う、男らしいたくましさを感じた。




いつの間にか、その背中から目を離せなくなっていた…


< 131 / 360 >

この作品をシェア

pagetop