一番がいい!!
あれは、秋になり始めの紅葉もまだ青い頃。
先生に頼まれた資料作りが終わらず帰るのが遅くなった日。
「なんで、私なのよ!」
下駄箱でローファーを投げつけ、スリッパを乱暴に片付ける。
「はぁ…」
残暑厳しい昼間とは違い、この時間になるとかなり涼しくなっていてた。
「あー、なんで断れないんだろう…」
爽やかな風と共に、ため息が出る…
その風に乗って…
ダンッ!ダダンッ!
体育館から聞こえるボールの音。
引き寄せられるように、そーっと覗いて見る。
そこには、バスケの練習をしている
三浦くん…?
わたしに気付くことなく、真剣に練習してる。
汗が光るその姿がとても熱くて、カッコよくて…
教室で友達と笑いあう姿とは違う、男らしいたくましさを感じた。
いつの間にか、その背中から目を離せなくなっていた…