一番がいい!!
*******
辺りは、すっかり暗くなっていて、電気の付いてない自習室は月明りに照らされる。
「…帰るか…」
そー言うと、立ち上がりドアに向かって歩く。
きっと顔をみられたくないんだろう。
黙って後ろに付いて歩く。
教室にかばんを取りに向かう。
横に並ぶのは気が引けて、数歩離れて後ろを歩く。
「情けない姿見せて、ごめん…」
暗い廊下に、小さな声が響く。
「ううん…
静香センパイのことをこんなに想っていてくれて、嬉しかった…」
「高梨さんは、ホントに静香センパイのことが好きなんだな…」
フッと息を吐く…
「うん!
でも、今日、2番目って言われて…
あっ…」
口を抑える。
「フッ、いいよ、別に…
落ちるとこまで落ちたら、スッキリした!」
ぐっと腕を伸ばす。
そーなのかなぁ…?
これは彼なりの優しさ…
これだけ想っていた人を簡単に諦められるわけがないよね…
「でも、高梨さんが2番ってことは、オレ高梨さんにも勝てなかったのかぁ。
ショックかも…」
弱った声。