一番がいい!!


返事に困っていると、



「高梨さん、どーしたの?」



疲れで意識が遠のく中、


霞んで聞こえる音で、なんとか男の子だと判別する。




「あぁ…

『精も根も尽き果てる』

まさにピッタリの状態です」





あぁ…国語のテストに出てた…





2人の声を聞くだけで、動けない。




「そんなに頑張ったんだね!

すごいよね!」





「そーでしょ?

だから、花火大会行こうって話してるの!」




「今月末の?

あぁ…

オレらも、一緒に行っていい?」





ん?



オレら?




声がするのは1人だけど…




「あっ、あぁ…

知里がまだ行くか決めてなくて…

どーする?」






私は行かない…




夏休みは、引きこもるんだ…




ハッキリ断らなきゃ…






誰なの…?





ゆっくり声のする方に顔を向けると、




遠のいていた意識が、ガツンと戻ってきた!!







「やっ、柳澤くん?!」




ガタンと勢いよく、立ち上がる!




話していたのは柳澤くん?!




全然、分からなかった…




その後ろには中田くん…




あれ?




中田くんは話してなかったよね…?





いつも人だかりで話題の中心になってるのに…




「やぁ、久しぶりだね」




王子様スマイル。

カァッと身体中が熱くなった…




「なっ、なんで?!」




「みんな帰っちゃったのに、机に伏せてたから大丈夫かと思って」



心配そうに首を傾ける。




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