一番がいい!!



「……

聞き捨てならない言葉だね…」




ニコリと微笑んでいる目の奥が鋭く光る…




笑顔を怖いって感じたことないよ…?




遊実を見ると、あちゃーっと手でおデコを抑えてる…




柳澤くんは、哀れむ目で首をフッていて…







「新入生代表、智哉に何かあったら、オレがやるはずだった…


… 意味わかるよね?」



威圧的な言葉遣い…





一歩後ずさる…





身体中の血の気が引く…




この人、怒らせたらダメだ!




本能が叫んだ。






テストで使い切った頭をフル回転させて、必死に答えを導き出した。




間違いは許されないだろう…





考えろ!考えるんだ!!





「えーっと…それは、

入試2位ってことでしょうか…?」



「はい、正解。

何か言うことは?」




先生のように淡々と言われ、




「すみませんでした」




深々と頭を下げる。




「わかってくれたら、いいよ!」




優しい声が頭の上から降ってきた…






たっ、助かった…。





ヒザの力が抜けてイスに座り込む。



ククッ、と横を向き笑い声をこらえている柳澤くん。






「知里、それでいいよね?」



「はい…」

今、言い返すことなんて、できるわけないじゃない…



遊実…




ちょっと恨むよ…







私の結果しだいかぁ…


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