一番がいい!!
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翌日から、テストが少しずつ返される。
「知里、どーだった?」
テストが返ってくるその授業後、すぐに聞きに来る遊実。
「ギリギリだけど…なんとか」
苦笑いする。
あと、1教科。
一番苦手な数学…
合格なら、花火大会…
やっぱり行けないよ…
涙が出そうになる…
「次がいよいよ、最後だね!
合格するといいね!」
「うん、そーだね…」
暗い声になってしまう。
「どーした?
花火大会、行きたくない?」
心配そうに、覗き込んでくる。
「遊実…
私、やっぱり行けないよ…」
視界が歪む…
「どーゆーこと?」
眉を寄せて聞いてくる。