一番がいい!!
とても、弱くて守ってあげたいって思った…
「…私、嫌われてないのかなぁ…?」
恐る恐る顔をあげる。
「嫌われてるわけないでしょ?
噂じゃ、入学からの告白は全部断ってて、女の子とも遊びに行かないって。
王子様なのに!
そんな人が、私たちと花火大会行くんだから嫌いなわけないでしょ!」
ギュッと抱きしめられた。
固く閉ざした心が、溶けて行くのを感じた。
「ごめん…
うまくいくって思っていたのに…
それが全然ダメで…
静香センパイも柳澤くんを傷付けたって…
そればっかり気になって…」
「だから、元気なかったんだね…
あたし、ずっと気付いてた…。
知里が話してくれるの待ってたよ」
「ごめん…
2人も傷付けた私が、笑っちゃいけないって…
私のしてしまったことだから自分でなんとかしなきゃって…
誰にも相談しちゃいけないって思って…」
言葉にならない言葉で、それでも、話を聞いてくれた。
「知里は、たくさん笑っていいんだよ。
傷付けたかもしれない…
でも、みんなが想いを叶えられるわけじゃない…
いろんなことを知って、乗り越えるから強くなれるんだよ」
遊実の言葉の一つ一つが胸にしみてくる。
私も強くなりたい…
本当にそう思った…